「学習」の学
我が国では現在、地域医療の重要性が叫ばれ、医学部では地域枠入試などそれに対応した教育政策がとられています。しかしながら現在でも、医学部での教育は専門家(スペシャリスト)養成の面が強く、社会で多く必要とされているプライマリ・ケアや家庭医(ジェネラリスト)の教育が手薄と言わざるを得ません。
多くの医学部では、学生を地域医療の現場に派遣しています。これは大学病院での医療しか知らない医学生には、最初のインパクトはあるかもしれません。しかし単に地域医療をしている先生方の「背中を見て来い」的な教育だけでは、はなはだ不十分で、戻ってきたときに得た刺激は消えてしまいます。
帝京大学の地域医療学では、現場の臨床経験と結びついた、いわばそれと連続する教育を行っています。教員の臨床経験に基づいたReal case-based learning(RCBL)、社会環境や家族関係のダイナミズムに視点を置きつつ患者を中心に考えていく Patient-centered clinical method (PCCM)などです。
これにより、他からの借り物でない地域医療学独自の教育を行っています。