Real-case based learning
臨床を教える時、何を教えるべきでしょうか。
ベストは、「実際に体験したこと」です。それは事実であり、臨床現場の状況(コンテクスト)、経過・予後、家族関係に何が起きたかなど、全てを含んでいます。しかもそれをできるだけ裸にして出す、例えば臨床医として手痛い記憶もですね。
それ以外は、全て2次資料です。それはそれでとても重要ではありますし、使わなければ実際上教育はできません。しかし、実体験という1次資料を少しでも使うことは、大切な意味があるのです。
この、Michael Sandel教授(Harvard大学)の言葉を実現するには多くのアプローチがあるでしょうが、Real-case based learningもその一つになりうると思います。
Albert Einsteinの言葉から
「何かを学ぶのに、自分自身で経験する以上に良い方法はない」
この素晴らしい言葉を受けて
「何かを教えるのに、自分自身で経験したことを教える以上に良い方法はない」
(Inoue Methods作成者:教育にも研究にも言えると思います)
Note:
Primary sourceとSecondary source
何かを学び、あるいは教えるのにPrimary source(その課題がそのままの形である情報源)ほど良い教材はありません。
Primary source is a term used in a number of disciplines to describe source material that is closest to the person, information, period, or idea being studied.
それ以外は全てSecondary (あるいはTertiery) sourceです。それらは加工されているがゆえに、提示しやすく、また教育側が優位かつ意図的に操作できるというメリットがありますが、以下のデメリットがあります。
・逆にそれらから得たものを現実の世界(Real world)に引き戻して実践化するプロセスを要する(往々にしてそこが無視されがち)。
・内在する情報を切り捨てている、言い方を変えればエントロピーが減っている。
良く知られているものとして、教科書があります。新しい手法としてはCinemeducationなどもその範疇に入ります。これらSecondary (あるいはTertiery) sourceは、あくまで教育の部分的な要素であるべきです。
・Primary source
・それを基にした教育者と学習者の対話
主体は上記であるべきでしょう。これは学習も学究も変わりません。