アウトラインプロセッサを使おう

ここでは、論文を作成するのにアウトラインプロセッサを使うことを提案します。

「長文の場合、大雑把な文書構成を決めてから、見出しノード)を付けていき、ブロック単位で細部についての記述を追加していく、という手法が取られることが多い。アウトラインプロセッサを使えば全体の構成がツリー表示され、現在の編集位置を把握しながら文章を記述することができる。また、ブロック単位で階層構造を上下に移動させたり、位置を入れ替えたりすることができるので、長文を作成する機会が多い小説家ライターに愛用者が多い」(Wikipedia)

 

このアウトラインモードは、例えばWordなどにもついています。ならばなぜ推奨するのか?

・動作が軽快でメモリを食わない

  単一の目的のソフトウェアなので、きびきび動くしシンプルです。

  現在の論文作成はPC上で表を作り、文献検索をしながらとマルチタスクです。

  メモリ食いのWordでないのでPCの動作を遅くしません。

・階層構造、つまり構造化文章が簡単に作れる

  論文は構造化文章そのものです。

・無料でいいソフトウェアがある(笑)

  いや、大切なことです、とっても。

  Inoue Methodsは、Thrifty researchつまりお金のかからない研究を目指してます。

アウトラインプロセッサでの論文作成

スクリーンショット:Nami 2000 出典:窓の杜
スクリーンショット:Nami 2000 出典:窓の杜

Inoue Methods作成者のおすすめする2つのアウトラインプロセッサです。

 

両アウトラインプロセッサの比較ですが、お好きなほうでいいと思います。勿論どちらも、全アウトラインを一括印刷できますが、清書の場合はRich Text Format (RTF)か何かの形式で書き出して、最後にWordで仕上げればいいです。

アウトラインプロセッサを推奨しているサイトです。

 

Story Editorダウンロードページ) 

  スクリーンショットが上記にあります。使いやすさではピカイチでしょうか。

Nami 2000ダウンロードページ

  URLリンク機能が使えます。やり直し機能は何回でもOK。

 

*Inoue Methods作成者は実はFitzNOTEを使っています。シェアウエアですが、これもいいと思います。

FitzNOTE
アウトラインプロセッサを論文作成に利用した例です。ボイスによる説明をお聞きください。
FitzNOTE.jpg
JPEGファイル 268.4 KB
FitzNOTEによる論文作成例(クリックで拡大)
FitzNOTEによる論文作成例(クリックで拡大)

これは論文作成の例として、Inoue Methods作成者が実際に研究に使用した記録からの者です。左を見ると、論文の各コンポーネントが並んでいます、これがアウトラインです。その要素ごとに作成するので、

・書くべきことが明確になり、だらだら書かない

・他の部分を参照するときも、1クリックで済む

などのメリットがあります。下に実際にボイスで説明します。なお、拡大したまま聞けないので、ダウンロードも用意してあります。

 

*これはだいぶ前のバージョンなので、Originality Boxなどの基本4点セットなどが入っていません。そのうち作って披露します。

*アウトラインプロセッサは指導者にもメリットがあります。「長い論文ファイルを行きつ戻りつせず、ポイントにすぐ飛べる」

論文テンプレート(FitzNote)オリジナル
FizNoteで使うための論文テンプレートです。Wordと比べて特に論文作成の初期では非常に効率よくテキスト作成ができます。なお、圧縮されていますが元のファイルでもたった12KBです、軽い!
*サイト内の別場所に、月刊JIM連載企画で作成した最新バージョンがあります。こちらはオリジナルということで、そのまま掲載しています。
Template for Articles.zip
zip ( 圧縮 ) ファイル 7.2 KB

WordとFitzNoteのCollaboration

IM Mentorは上記にあるアウトラインプロセッサのFitzNoteを使っています。弟子にも使うことを指示します。なぜなら、構造化されたテキストのほうが指導しやすいからです。

 

そしてMicrosft WordとFitzNoteを併用して効率を上げています。

・ソフトウェアを変えるということは、実はとても意味がある

・ソフトウェアの持つ機能を発揮して論文を違う角度で検討・作成できる

 

構成を見る・各要素ごとに練り上げる→FitzNote

全体の流れを見る・著者間のコメント機能を使った著者間のやりとり→Word

 

論文を別の雑誌に再投稿する(蹴られた雑誌からのコメントを反映して)ときも、あるいはリバイス時にも一旦FitzNoteに戻します。手間のようですが、そのほうが効率的です。

参考:アウトライプロセッサの使い方@Vector

ものを考えるとき、「いきなり完成したアイデアを思いつく」という人は少ないだろう。多くの場合、最初は漠然としたイメージがあるだけだったり、2~3の気に入った思いつきがあるだけだったりするものだ。これらの「明瞭ではない着想」から、企画書や論文、小説、脚本などの「具体的な作品」を仕上げるには、最初のアイデアに徐々に肉付けをしていったり、削ったり、構成を組み替えたりする必要がある。こんなとき、文章中の任意の場所に直ちに移動が可能で、段落を簡単な操作でまとめて移動できると便利だ。 

また、当面使う予定はないものの、将来に備えてストックしておきたいアイデアや、いちいち別のファイルを作るまでもないちょっとしたメモなどをまとめて管理したいと思うことも多いだろう。もちろん、単に記録しておくだけでなく、あとで自由に並べ替えたり検索をしたりもできないと困る。 

アウトラインプロセッサは上記のようなさまざまな要望に応えてくれるソフトだ。テキストをベースとした不定型のデータを扱うのに適しており、頭に浮かんだアイデアや項目を、思いつくまま無秩序にメモしておき、あとで必要に応じて分類、整理するといった用途に威力を発揮する。 

http://www.vector.co.jp/magazine/spotlight/980629/sl9806291.html

 

IM Mentor付記:Practice based researchでは、研究仮説や疑問、メッセージは既にあると書きました。Inoue Methodsではアウトラインプロセッサは、研究者が描いたその「一文」を論文に具体化するためにあります。そういう意味ではメッセージから論文への作成は、その時点では明瞭ではないと言えます。ここのところ、誤解なきように。