研究指導者に必要なこと(自戒を込めて)
関連項目:危ない研究指導者はここでわかる
一流の研究者(指導者)
「実るほど 頭の垂れる 稲穂かな」とは良く言ったもので、優れた研究者ほど謙虚でオープン、非権威主義な傾向があります。実績があれば、殻を作る必要がないし、純粋に若手の成長を楽しみにできるからだと思います。
ある研究者の言葉
「私は、私の研究分野では第1人者と仰ってくれる人もいます。ですが、その分、自分の研究がいかに不完全か、限界があるかわかっています。そして私は、私の分野以外では、他の人々から学ぶ生徒なのです」
研究指導者もまた
成長途上の研究者です。
1. 自分の業績を常に整理しておき、開示出来るようにしておきましょう。
2. 主任教授なら、本人の業績は無論ですが、講座全体の業績にも責任を持ちます。
3. 若手の研究者の分野が違うなら、あなたの頭は他の「その」分野の経験ある研究者に頭を下げるためにあります、若手のために。
「あなたのメンツ(プライド)ではなく、あなた自身の作品(部下も含めて)にプライドを持て」
逆に若手研究者へ:これらができる人が指導者に足る人です。
Disclosure is 'Panacea.'(情報開示は万能薬である)
傾向として、(再度ですが)優れた実績のある研究者ほどオープンで、威張りません。そういう方を幸いなことに何人も仰ぎ見てきました。眼高手低とは、真逆です。
PBR-指導者にとっての意味
Practice based researchを経験することは、研究指導にも意味を持ちます。
患者中心の臨床方法(Patient centered clinical method)は医師国家試験ガイドラインにも載るほど既知です。そのKey Messageは、「健康問題を規定するのは(医療者でなくて)患者である」です。(出典を含めたFigure)@北海道糧医療学センター
PBRにおいてもまた、同様のことが言えます。Key Messageは、「研究課題を提起するのは日常の診療である」であって、それを研究者の感性が形にしていくのです。指導者がそれを理解すれば、良くありがちな、「研究テーマを自分の専門に引きずり込んで変質する」や、「そんなの研究にならないと言って否定する」ことは少なくなるでしょう。
「最初に日常の臨床に基づいた研究者の思いがあり、それを説明するために手法などの各論がある」